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教育委員会が贈る歴史の道調査報告書、その傑作を補完して有り余る佳作、歴史の道踏査報告書〜古老の証言集〜 |
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円城の辻(15) ★★★ |
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円城の辻(えんじょうのつじ)の取扱説明書 いつの頃からか、ライダーの聖地と謳われて久しい道の駅円城。週末ともなれば県の内外を問わず単車が集い、四輪での進入が場違いと思わせるほど凌駕する。山陽方面からも山陰側からも上り勾配のピークに位置する現場は、感覚的にも距離的にも一服するには丁度良い。多くのライダー&ドライバーが日頃何気なく行き来している道でもあるが、99.9%の者が円城へ至る道筋の正体を知らぬまま、この世の春を謳歌している。何を隠そう僕もその一人だ。正確を期せば、僕もその一人“だった”。沿道一帯には旧道のそれと分かる無数の残骸が散見されるが、それらを丁寧になぞる過程で、僕の想像を遥かに超える驚くべき現実を目の当たりにする。これまで培ってきた道路感が音を立てて崩れる、それくらいのインパクトは必至の炎上、いや円城の辻の真髄を御覧頂こう。 |
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◆当廃道区間に現存する二本目のデリネーター 何が何でも突破してやる!という血気盛んな意気込みは、まるで無い。廃道を単車で走破という試みは、心身共に必要以上のダメージを伴い、物理的に踏破不可能な場面も少なくない。落橋一つで前進はほぼ叶わない。その度毎にいちいち悔やんでいたらキリがない。 駄目だったらとっとと諦めて、駄目だこりゃ〜次いってみよう!の精神でいかないと体がもたないし、いくら命があっても足りない。この世に未踏破の廃道は五万とある。実際に全国区で活動してみて実感するのだが、その全てを今生で掌握するのは、ほぼほぼ不可能である。 |
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◆蔓が撒き付く猛烈な藪中にあって電柱がエスコートする 廃道と言っても1kmに満たない短距離路線から、総延長数十kmに及ぶ長大路線まで様々であるが、いざ単車を通すとなると開削は難儀し、一ヶ月を要す案件など珍しくはない。必然的に年間の取材数は限られ、それに活動期間を掛け合わせば、大凡の生涯把握する本数が割り出せる。 破壊力増し増しの自然災害が頻発する昨今、ORRの立ち上げ時に比し難易度は格段に増している。加え自身の体力低下は否めず、そう遠くない将来トシちゃんのコンサートよろしく、途中で酸素ボンベ吸引と相成るのはほぼ確実である。所詮ジジババダンサーズ予備群という宿命には逆らえない。 |
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◆経年の土砂崩れ等で斜面と道路の境が最早不明瞭 だったらここで一花咲かせてやろうじゃないの!ドッカン・ドッカンおっきな花火打ち上げてやりましょうよと。とうの昔に足腰にガタは来ている。ただここが大一番、ここが大勝負と自身に言い聞かせ、老体に鞭打って果敢に単車で廃道に突っ込む日々。嗚呼、何でこんな事になってしまったのだろう? しかし世の中を俯瞰すれば、全く同じ嘆き節が絶え間なく聞こえてくる。年金受給者や政治屋さんなど一部の安定勢力を除き、大方がコロナの影響で大なり小なり実害を被り、倒産や人員整理に減給減俸の嵐が吹き荒れ、自宅療養という名の放置プレイにより、永眠を余儀なくされるという御時世である。 |
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◆昭和58年11月竣工の青草2号橋が視界に入る 社会の底辺であったはずの生活保護世帯は、相対的に安定勢力という位置付けになり、生活保護レベル以下の水準で推移していたORRも、通常の活動(鈍足遅速だが)が出来ており、やりたい事がやりたい時にやりたい放題で叶う以上、かなりいいポジションにいるのではないかという気がしないでもない。 いつ何時活動を停止してもおかしくないのに、なかなか息の根が止まらないORRは、ダラダラ加減では既に太平洋戦争末期の旧日本軍を上回り、20年という長期に亘り日の当らない地下に潜伏、単身ゲリラ戦を展開している。資金供給が断たれて久しい昨今、一滴のガソリンも無駄には出来ない。 |
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◆長い激藪区を脱し路面はアスファルトに切り替わる 基本的に飲み水は公園の水道水、シャワー代わりに公園の水道水、煮炊きも公園の水道水と公共施設をフル活用し、最近は炊き出しの列に並ぶ術を身に付け、今日は石原軍団の炊き出し、明日はジャニ系の炊き出し、明後日はお笑い系の炊き出しと、梯子で命を繋ぐ日々。 唯でさえ不景気な世の中にあって、このコロナ禍で「貧困さんいらっしゃい」が番組として成立する程苦境に喘ぐ人が続出し、格差社会がより一段と加速した感がある。一歩間違えばDAIGO氏に消え失せろ!と言われかねない圧倒的な低属性ではあるけれど、僕は気付いてしまった。 |
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◆新旧路を結び付ける広大な駐車スペースの裏手を進む 僕には向かうべく先が見えている。景気やコロナに翻弄される人々との決定的な相違、それが夢中になれるものがあるか否かだ。只今絶賛無我夢中で旧廃道探索中の身と、不況&コロナで休廃業に追い込まれた身では、同じ炊き出しの列に並んでいても、気持ちの持ち様には雲泥の差がある。 旧廃道VS休廃業、これひとつとっても月とスッポン程の違いがある。片や気の赴くままに道路三昧の日々、片や明日が見えず不安に怯える日々、超の付く貧困層という同じ属性ではあるけれど、生きている世界が全く異なる。20年以上戦時体制にある我が身と、平時体制で生きてきた者との差であろうか。 |
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◆駐車スペースから植樹帯を経て新旧道が交わる 今日まで「欲しがりません勝つまでは」をスローガンに掲げ孤軍奮闘してきたが、ここに来て「新型コロナ恐るるに足らず、大事なのは初期消化(消化の良い物を積極的に接種)」が加わり、いよいよ来たる聖戦への準備が整った感がある。 国民総鬱状態のみならず地球儀ベースでの大厄災となったが、勝ち組にも負け組にも属さない立ち位置で、清く正しく美しくダラダラとポジショントークを発信し続け、いつかの日かキングカズと対談を試みたいと願うキングクズですが何か? 円城の辻16へ進む 円城の辻14へ戻る |