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教育委員会が贈る歴史の道調査報告書、その傑作を補完して有り余る佳作、歴史の道踏査報告書〜古老の証言集〜 |
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トップ>廃道>北海道>静狩峠 |
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静狩峠(8) ★★★★ |
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静狩峠(しずかりとうげ)の取扱説明書 その昔、猿留山道及び雷電山道と並び蝦夷地三大難所に数えられた礼文華山道。その行程は長万部から豊浦にかけての気が遠くなる程の長大山道で、一般には筆頭格と目される礼文華峠のみが取り沙汰されるが、礼文華山道とは大小連なる複数の峠の総称であり、その全体像を掴むには個々の峠を丁寧に精査するしかない。それぞれが距離も高低差も難易度も異なる多様性に富む峠越えの中で、僕が本気で死を意識し一枚の写真も収められなかった峠がある。それが静狩峠だ。読んで字の如しサイレントハンターはトラップに嵌まり衰弱する僕を静かに見守っていた。夕刻迫る発狂寸前の渦中でふと我に返った僕は、間髪入れずに敵前逃亡を図る。あれから十余年が経ち機は熟した。あの日あの時あの瞬間の忌まわしい借りを返すと同時に、返す刀で礼文華山道の全貌を白日の下に晒す。 |
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◆峠の西側はのっけから藪の大海原と化している 静狩峠に実在する第三の峠道 イザベラバードの没後100年記念として大々的に礼文華山道が取り沙汰されて以降、縦走する無名の峠道が芋蔓式に注目の的となり、ここ静狩峠も微弱ながら訪問者が増加傾向にある点は疑う余地がない。 ズブの素人でも簡単に頂きに立てるという点では大岸峠といい勝負で、チェーンゲートで封鎖されている為御帰りの際は若干苦労するであろうが、普通乗用車でいつでもアクセス可能な点で身近な存在と言えよう。 |
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◆下りに転じた瞬間木々の隙間に静狩の平地を捉える 素人でもウエルカムな峠の東側に対し、西側は玄人でも未知数と言っても過言ではないほど険しい。事実僕は今日の今日まで完踏を悉く退けられている。加齢と共に手作業に限界を感じ、次行ってみよう!と途中で匙を投げるヘタレパワー炸裂な自身の不甲斐無さが仇となりこの様だ。 それもこれも初動時の成功体験が大きく関与している。何故あの時は僅か15分前後の瞬殺だったのに、正規ルートではこげな酷い扱いを受けねばならぬのか?これは不動産王として成功したトランプ氏が、この先必ずしも政治家として順風満帆でない事を暗示している。 |
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◆激藪の真只中で見え隠れする牧草地がオアシスに映る 人間上手く行く時は面白い様に事が運び、トントン拍子であれよあれよという間に巨万の富を築くなんてストーリーは珍しくない。それで止めておけばいいのに、欲を掻いて他業界に転身した結果地雷を踏んだ事例は枚挙に暇がない。桝添要一氏然り、谷亮子氏然り、城咲仁氏然り。 俺はただ単にエアフォースワンに乗りたかっただけだ。ただそれだけだ。あばよっ!と米大統領史上最速での辞意を表明すれば、世界中を笑かしてくれたおっさんとして記憶にも記録にも残り、全米を震撼させた大物ルーピーとして鳩山由紀夫氏共々後世まで語り継がれるのは間違いない。 |
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◆イタドリの群生が片洞門の如し左側半分を覆い尽くす 僕もORR⇒不動産王⇒都道府県知事の道を知らず知らずのうちに歩んでいるが、先行者の失敗事例をみる限り、政府専用機に乗れた時点で速やかに辞職するか、橋本徹氏のようにどこかの市町村長に収まりつつ、影ながら国政に影響を及ぼす方が得策ではないかと思う今日この頃である。 近い将来政界の荒波を乗り切る精神的修行の場として、鉄の塊を無理くり通す全国廃道行脚を実践している訳だが、日頃から過積載踏破の重ハンデを課しているせいか、脈がトップアスリート並みだが?と医者が首を傾げるほど鍛錬の成果が出ているようで、手刈への拘りも借家リノベに確実に活かされている。 |
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◆辛うじて道跡と判断が付く程度の危うい感じの路が続く チェーンソーや草刈機が不要と言ったら嘘になる。どこかで本格導入したい気持ちは常にある。また徒歩による縦走でええんちゃうん?と年々確実に気力が萎えている点も無視出来ない。しかし開発業者がパスした難物件を再生出来るのも、廃道踏破で得た忍耐力の賜物と思えば藪漕ぎもやぶさかではない。 この刈り払いに何の価値があるのか?僕は長い間自問自答を繰り返してきた。鉄馬帯同という聞こえのいい建前はあるが、やはり何等かの利に直結しなければただの自虐ネタに過ぎない。しかし機は熟した。単車を通すレベルまで草刈正雄のハードな刈り払いが、廃屋再生事業にズバリ活かされる形となった。 |
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◆微妙にダブルトラックらしき茶色の二本線が見てとれる 廃屋と廃道、この似て非なる案件は繋がりそうで繋がらない。これまでも廃道上に点在する主を失った物件を何軒も見てきたし、両者が直結する機会は幾らでもあった。しかし実際問題として廃墟は興味の対象の域を出ず、あくまでも廃道を語る上で必要不可欠なアイテムのひとつでしかなかった。 ところが近年ひょんな事から我が人生に於いて廃道と廃屋がクロスオーバーし、閑散期の労働力投入が本格化しつつある。ってか今この瞬間もリノベ借家前の待避所増設に余念がない。すっかり過去のものとなって久しい道普請が、平成の道普請となって秘密裏に履行されている。 |
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◆軽トラでも往来しているかの如し鮮明なタイヤ痕を捉える しかも地域土木課並びに税務署との協議により、岡山県のとある集落で御上黙認へなり単独プロジェクトとして着実に進行しつつある個人事業は、やりすぎDIY〜吉備の国から〜なんちゃって道普請として、今や知る人ぞ知る公然の秘密となっている。 個人による自前の道路整備事業はイレギュラーで、行政は困惑しつつも中止命令は下さない。この関係性を僕等は歴史道を通じて学んだ。そう、明治政府が黙認した私財を投げ打っての古道の拡張及び新道の開削である。 静狩峠9へ進む 静狩峠7へ戻る |