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教育委員会が贈る歴史の道調査報告書、その傑作を補完して有り余る佳作、歴史の道踏査報告書〜古老の証言集〜 |
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トップ>廃道>北海道>太櫓越峠 |
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太櫓越峠(6) ★★★★★ |
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太櫓越峠(ふとろごしとうげ)の取扱説明書 渡島半島の東側を南北に走る海岸線は、我が国で五番目に重要な路線にして、北海道随一の幹線である事に異論の余地はない。その東海岸線を陽とするならば、瀬棚と江差を結ぶ西海岸線は陰となる。山陽道と山陰道の例を出すまでもなく両者の交通量には決定的な差があり、結果開発は遅々として進んでいない。事実これより挑む山道は昭和の晩年まで直に鞍部を跨いでいたし、鉄道は今も昔も西海岸線を走破した試しがない。結果太櫓越山道が唯一の生命線となる訳だが、山道に注がれた先人の血と汗の結晶は、トンネル開通後も極上の峰越フラットダートなる副産物を齎す。その恩恵に授かったドライバー&ライダーは少なくない。走破済という経験則から今度こそR8での峠越えを立証したい。下町ロケットアウディ計画起死回生編、始まります。 |
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◆実幅5mをキープしたまま頂上の切り通しへと至る 登り途中にある支線林道との交点を過ぎると頂上は近い。緩い左カーブを曲がり終えると、そこは長い直線の始まりだ。僕の記憶が確かならばそのまま切り通しに滑り込むはず。だがあの頃のようには急がない。制止し左右の藪奥に目を凝らし有効幅を確かめる。やはり山道全体が5m幅を有している。 少なくとも峠区北側の大部分は実幅が旧二車線規格にある。完全一車線の現況とは似ても似つかない大通りであったのは確実だ。人通りが絶えすっかり林道状態と化した今だと、ジムニーや軽トラ以外は似つかわしくないが、足元の様子を精査するとバスが大挙して押し寄せるシーンも想像出来なくはない。 |
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◆長い直線の切り通しには今も案内標識が佇む 生命線たる路線バスは勿論の事、修学旅行に社員旅行、観光ツアーなど大型バスが何十台と連なり駆け抜けて行くシーンが日常的にみられた時代があった。当たり前だ、曲がりなりにも本線は国道にして西海岸唯一の生命線である。最終ポストは国道229号線という文句無しの肩書を残す実用路線だ。 トンネルの完成は遅過ぎた春と言っても過言ではなく、昭和の晩年まで稜線を直に跨ぐ峠道を供用し続けたのは腑に落ちないが、裏を返せば冬期を含め実用に耐えるだけの実力を備えていたとも言える。太櫓越の標高はたったの220mしかない。人によってはトンネルの必要性に疑問を抱く者もいただろう。 |
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◆廃止から30余年が経過するも標識は健在 高が220m、されど220mである。発着点となる瀬棚及び大成は共に海抜0mであるから、標高220mはそっくりそのまま高低差と見做す事が出来る。標高だけを持ち出して峠を云々するのはナンセンスで、やはり峠の険しさや難易度は高低差を抜きには語れない。 樹海の真只中を貫く本線では高低差を体感し辛いが、海が迫る海岸伝いであればなかなかのスリリングな道程となろう。200mは気温の変化か感じられる結構な落差で、改修に継ぐ改修で最適化されていたとはいえ、それ相応の厳しさを孕んでいたであろう事は想像に難くない。 |
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◆標識の直下が真の路肩で切り通しも5m前後の幅広道 ただ旧道はほとんど険しさを感じさせない。かつて僕はこの峠道を小一時間で駆け抜けている。一部廃道化していたがギャーピー言う程の事は無く、その時はあっさりと通り抜けている。ぶっちゃけ峠道としての太櫓越は面白味に欠けるし、難所を克服したという達成感もほとんど感じなかった。 だが太櫓越にはそれを補って余りある魅力がある。それが峠区に取り残された遺構の数々だ。見てくれ、この生々しい案内板を。誰に訴えるでもなく風雪に耐え今尚そこに踏み止まる姿には感銘を覚えるし、よくぞ撤去せずに放置してくれたと関係各所には感謝状と粗品(ボールペン)を贈らずにはいられない。 |
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◆切り通しの先には転回可能な広場が待っている 道に開眼した者にとって現場はパラダイスである。当時の付帯設備がそっくりそのまま現存する峠道はそれほど多くはない。ガードロープに始まりコンクリ製の側溝に案内板と矢継ぎ早に登場する遺構の数々に圧倒される。それらのうちどれか一つでも御目に掛かれれば御の字だ。 だが太櫓越にはその全てが揃っている。失われたのは幅員のみで、それとて両脇の藪を刈り払ってしまえば復元は容易だ。完全一車線で仮の姿を装っているが、元来道路に興味が無い般ピーでどれほど鈍感であったとしても、当山道が一介の林道でない事に気付かない方がどうかしている。 |
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◆広場より振り向くと激藪に埋もれる道路遺構を捉える 百歩譲って知らぬ存ぜぬで峠区を走り倒したとしよう。大抵は頂上とかで記念撮影とかするっしょ?その時映っちゃいけないものが映っちゃったりなんかしちゃったりしたらどうします?えっ!と画像を二度見するっしょ。何だったらヤバいものが居たであろう場所を確認するっしょ。 恐らくこの峠に挑んだ者の十中八九が驚愕体験をしている。かつての僕がそうであったように。そして十余年の時を経て僕はあの時と同じ様に絶叫する。そこに居たんか〜!この画像には既に場違いな遺物が映り込んでいる。それでは局部アップの無修正画像を御覧頂こう。 |
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◆意外性に富む宙に浮いたかのような残存するおにぎり ドーン! 出ました!太櫓越道路遺構群の総大将にして浮遊するコ・ク・ド・ウ・ヒョ・ウ・シ・キ!テッテケテッテテーテーテー♪この宙に浮くイリュージョンおにぎりに度肝を抜かれた者は少なくない。 中には勢い余ってスルーしてしまった者もいるであろうが、行政界を跨いだ直後の広場で一服すると、大抵は激藪に浮くミディアアムレアのおにぎりに気付くはずだ。 太櫓越峠7へ進む 太櫓越峠5へ戻る |