教育委員会が贈る歴史の道調査報告書、その傑作を補完して有り余る佳作、歴史の道踏査報告書〜古老の証言集〜

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美利河峠(3)

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美利河峠(ぴりかとうげ)の取扱説明書

ニセコ・ルスツ・トマム・・・北海道に於ける片仮名の三文字表記地名は?3秒前、2、1、Q!と行き交う者にいきなり投げかけると、必ずと言っていいほど返ってくるのがメジャースキーリゾートと相場は決まっている。そこにピリカの名を挙げる者はまずいない。道民の内外を問わずピリカってどこ?ピリカって何?というのが現実的な反応である。その影の薄さは道路的にも然りで、美利河峠越えを目的として国道を走る者は皆無に等しい。だがそれが単なるドライブやツーリングではなく、旧廃道の探索となると話は別だ。一般に美利河峠に古道筋は存在しないとされ、旧廃道に言及した記事を目にした試しはない。事実拡張に次ぐ拡張で形成された現在の峠付近に、並走する別ルートは実在しない。但しその前後には失われた切り通しを補って余りある長大路線が森の奥深くで息を潜めている。そこで目にしたのは道内各地に点在するメジャー物件に勝るとも劣らない涎もののレアな歴史道であった。完踏が叶わない絶望的な廃道の秘奥に見た超絶レア絶景と、辛うじて単車での踏破が叶う長大藪道の現況を余す事なく白日の下に晒す。

 

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◆牧草地帯を直線的に貫く国道230号線旧道

今金町道となって久しい元国道は、御覧のように牧草地を両脇に従え、視界前方に待つ丘陵へと真直ぐに延びている。これはこれで全然悪くない仕様だが、大局的に見れば前後に見通しの利かないコーナーが控えている為、仕方なく戦力外通告を下されたのではないか。

歩道が無いという致命的な問題を抱えつつも、新国道はそれを完全に満たしていないのだから、そこが廃棄の有無を左右したとは思えない。やはりなるべく直線になるよう改めんとした結果、このような優良コースでさえ弾かれてしまったのだろう。結果的に牛舎と牧草地を二分する路を牛は安心して渡道している。

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◆見通しの利かない連続カーブの緩い坂を上り詰める

この旧道区間は1km前後で再び現道に交わるが、その間には牧場が一軒認められるのみで、一般の人家は見当たらない。その昔は集落を形成していたとの見方も出来るが、隣家が1km先というのも珍しくない土地柄であるから、元々一軒のみがポツリと佇んでいたのかも知れない。

大草原の小さな家じゃないが、寂しいのと同時に贅沢な感じもする。どんなに騒いだところで隣近所に迷惑がかからないというのは、都会人からすれば贅沢な話この上ない。音源を切った電子ドラムを叩く音でさえ、うるせ〜!と返される昨今、騒音問題に苦慮する若者からすれば、これほど恵まれた環境はない。

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◆坂の途中で現場が宮島地区である事を知る

ただ住むか住まないかの問いに対しては、ほぼ間違いなく彼等はノーサンキューと言うだろう。現代社会の利便性を手放さない状態で、諸問題を解決したいと都合の良い事を考えている。ここ宮島という地区には、どんな田舎にも必ずある何ちゃら商店というものがない。

ロールティッシュひとつ購入するにも花石まで赴かねばならないのだ。直近の商店まで距離にして4kmほどであるが、自宅から5分程度の場所に数軒のコンビニが乱立する都会人は、片道1時間かけてティッシュを買いに行くという行為は、日常にあってはならない異常事態に等しい。

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◆人家が一軒あるのみの宮島地区外れの新旧道交点

尤もここ宮島に住もうと決意した者ならば、車のひとつも持っての居住となろうから、日常的に徒歩で移動するという行為は皆無に等しい。ネット社会がすっかり板に付いた昨今、本気で手に入れようと思えば、どんな僻地でも入手出来ないものはない。フェラーリだってワンクリックで自宅に直送の時代だ。

果てしない大空と広い大地のその中で、いつの日か幸せを自分の腕で掴むよう♪と千春松山も熱唱するけれど、現実はその真逆で、大多数の地域が過疎化の危機に瀕している。北の大地に人が集まるどころか、札幌という都市に人が群がっているだけで、北の大地そのものは確実に人口減少の一途を辿っている。

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◆現道に合流して幾らも進まぬうちに迎える新旧道交点

その傾向は我が国全体に言える事で、そう遠くない将来日本の人口は1億を割り込み、その勢いは今後加速度を増すと予測されている。黙っていても人が減り行く時代にあって、先のチン切り事件の罪はあまりにも重い。まだ元気ハツラツな40代前半のスカッドミサイルを粉砕した件は只事ではない。

今後彼はどうやって性の欲求をコントロールするのだろうか?(←そっちかい!)掛け替えのない旦那様を失った以上、相互扶助の観点から奥様との行為は疎遠になる。となると自慰行為となるが、これまた旦那様を失った以上、エアヲナニーするしか手立てはない。

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◆国道230号線の旧道筋に人家は見当たらない

ギターが買えなくてエアギターとか、目的のラーメン屋が閉まっていたのでエアラーメンとかならまだ笑い話にもなるが、AOとなると全く笑えない。そこに救世主が現れた。何でもアナニーという直接前立腺を刺激する方法があるらしい。それを知った瞬間目の前が薔薇色になった。

これでオネェ弁護士も幾らかは救われるかも知れない。更にチクニーという方法がある事も分かった時には、来日してもいないローマ法王をこの目でしかと見届けた気がした。人間その気になれば何だって出来る。この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ、危ぶめば道は無し、踏み出せばその一足が道となり

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◆宮島地区と花石地区を隔てる昭和中期産の瑪瑙橋

 その一足が道となる、迷わず行けよ、行けばわかるさ!

1・2・3ダー!

地鎮祭じゃないが何だかとてもスッキリした感がある。清々しい気分で旧国道の瑪瑙橋に到達した僕は、いよいよ着地点と見做した花石地区へと乗り込む。その前に橋梁の銘板を確認しておきたい。昭和36年11月竣工とある。時期的にそれ以前は木橋であった可能性が大だ。残念ながら橋の前後左右にその時代の痕跡は見当たらない。

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